不滅

L'IMMORTALITE

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

沖島勲『WHO IS TAHT MAN!? あの男は誰だ!?』日本、2013年 @ラピュタ阿佐ヶ谷

やはり怖い。でも、少しこれまでとは怖さの種類が違う印象もある。果たしてどうなのだろう。『YYK論争 永遠の"誤解"』と『一万年、後….。』とは、地続きの作品であった。というか、姉妹編・続編と言えるだろう。さらにその次の、『怒る西行 これで、いーのか…

沖島勲『怒る西行 これで、いーのかしら。(井の頭)』日本、2010年 @ラピュタ阿佐ヶ谷

1週間前、同じ特集で『一万年、後….。』を見たとき、子供部屋に飾ってあった、会ったことのない祖父の遺影が怖かったことをふと思い出した。 沖島勲『一万年、後….。』日本、2007年 @ラピュタ阿佐ヶ谷 - 不滅miro41.hatenablog.com そして、この『怒る西行』…

アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』ロシア、2013年 @下高井戸シネマ

こんな映画を見たのは初めてかもしれない。もちろん、糞尿や、血や、ゴミや、内蔵や、汚泥や、死体のことではない。それだけなら幾らでも見たことはある。この作品で示されているものは、第一に、こちら(カメラ)に投げかけられる視線である。いや、これも…

冨永昌敬『ローリング』日本、2015年 @K's cinema

またしても彼岸の映画。最近見る映画はどれも彼岸が忍び込んでいる。いや、そもそも映画とは彼岸のものなのではないか。という気さえしてくる。ラストの「ネタばらし」を待たずとも、先生の語りに映画が元々持ってしまっているとも言ってしまいたくなる視点…

ブラッド・バード『トゥモローランド』アメリカ、2015年 @TOHOシネマズ新宿 スクリーン6

前作の『ミッション:インポッシブル・ゴーストプロトコル』がこの作家の初見で傑作だった。ラストの戦いの舞台に立体駐車場を選んだのにはなるほどと思った記憶がある。シナリオレベルではかなり欠点が多い。複雑な設定を複雑なプロットで語ってしまっている…

沖島勲『一万年、後….。』日本、2007年 @ラピュタ阿佐ヶ谷

子供の頃、夜に電気を消して眠る、目を瞑るのが、すなわち「無」や「死」が怖かったことを思い出させる映画。 映画とはこの恐怖を克服するために発明されたのではないか。つまり、人間が闇を恐れる限り、死を恐れる限り、映画は死なないだろう。 先週、同監…

エドワード・ヤン『恐怖分子』台湾/香港、1986年 @下高井戸シネマ

人は誰も分かり合うことはできない。半径3メートルの範囲で、哀しくもがくしかないのか。 では、その半径3メートルを軽々と超越して、モンタージュしてみせる映画とはなんなのだろう。 ここに示される登場人物は決して善男善女ではない。人を陥れたり、騙し…

沖島勲『YYK論争 永遠の"誤解"』日本、1998年 @ラピュタ阿佐ヶ谷

この作品で示されているのは、歴史/物語/語りの齟齬でも、低予算映画の苦悩でもなくて、宇宙(世界)そのものであろう。それは西洋的なユニバースではなく、東洋的な曼荼羅の宇宙観といえば良いか。だから厳密に言えば宇宙ではなく、宇宙観を示していると言え…